花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (99)

この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


参議院予算委員会で、三原じゅん子議員が質問に立ち、
「八紘一宇」という言葉を使い、なおかつその考えを称賛したと
話題となった。
「八紘一宇」は「世界は一つ(の家)」という考え方で、
考え方はもっともらしいが、言うまでもなく、
日本がアジアに覇を求めた(要は侵略した)際に使われた言葉だ。
我々の上の世代なら、刺されたような悲鳴をあげるものだが、
不思議と、騒ぎは大きくはならない。

何か隠然とした、不穏な、そして重苦しい空気の中、
トッポイ人間のとがった発言が出ることを、
圧倒的多数を持つ与党の面々は、
驚きながらも、楽しんでいるようにも見える。

一方で、皇族の談話に、憲法を守る旨の趣旨が
ここのところ、多く見られる。
もっとも朝日新聞は、その部分を紙面に掲載しないことで批判を受けている。
もう、与党の先棒を担いでいることが見え見えとなった。
高齢と言うのに、太平洋戦争の戦跡に向かう姿は、
やはり現政権に警鐘を鳴らしているといえるだろう。

少し前の人質殺害事件で目をひいたが、
今こそ、国会議員はこの条文を書いた
プラカードを世に向けて掲げるべきではないか。


第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、
      この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。