花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(342) 見果てぬ夢@大阪府咲洲庁舎

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大阪の海側に初めて行く。
ニュートラムに初めて乗ったが、なぜかここに至るエスカレーターだけ、
東京と同じく左側に人が立っていた。(ここは大阪ではないのか…)

ニュートラムといっても、まあモノレールみたいなもので、
曇天、そして雨天の中、静かに進む。
延々と煙をあげる煙突や、無機質に並ぶビル。マンションの先に
咲洲府庁舎があった。

ここは旧WTC(ワールドトレードセンター)ビルで、
バブルの頃に建てられ、そしてご多分にもれず廃墟になりかけている。
大阪の「ピエリ守山」のようであるらしい。

確かに閉店となる店が目立ち、ある店も「飲み放題」「食べ放題」をうたい、
何やら投げやりな感じがした。
ロビーの噴水は経費節減のためか、使われず、その水は汚れ、
底には泥がたまっていた。

かつては「キレイどころ」が待ち構えているだろうカウンターには
地味な制服を着た公務員らしき女性が手持無沙汰にパソコンを見ていた。

展望台は、午後1時かららしく、午前中に来る人を容赦なく切り捨てる。
せめてその下の階、と思いエレベーターに乗る。かごの中の表示も惨憺たるもの。

結論から言えば、下のフロアで見られる場所はなく、暗く行く手を遮られる。
明るい所には警備員が控えていて、怪訝そうにこちらを見る。嫌な感じだ。
唯一、外の景色が楽しめたのは、トイレからの眺めだったので、
そこからの景色を写真に収めた。ちなみにウォシュレットではなかった。

バブルに踊ったアホな人々の見果てぬ夢が
そこに残酷に屹立していた。