花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(355) 豊洲に国立競技場を!

8月31日午後1時半に小池東京都知事の会見があり、
11月7日に予定されていた築地市場豊洲移転が延期になった。
当初夕方と聞いていたが、おそらくワイドショーを意識して
「電波ジャック」を狙ったのだろう。
わが身を最大限高く売ります、という姿勢がくっきりとわかる。

豊洲市場は、建物が出来上がるまで、
東京都民のメインテーマにならないよう、
おそらくメディアに圧力をかけていたのだろう。
同時にメディアもそれに恭順していたのだろう。
そうして「移転ありき」の議論に持ち込んでから、
問題点をああでもない・こうでもないと言っている。
都民は本当に馬鹿にされている。

本当に時期だけの議論でいいのか。
土壌・建物という「食」と「職」の安全の根幹を問う問題だ。
やめたり・作り直すという議論は「暴論」と言われるだろう。
なぜならそう言えるようにしてきたからである。

そこで、だ。
豊洲市場を、いまだ作られていない新国立競技場に転用してみるのも
一策に思えてきた。

表現は異なるが、国立競技場の総床面積は29万平方メートル。
(のちに21万平方メートルまで縮小)
一方、豊洲市場の延床面積は51万平方メートル。
築地市場が29万平方メートルなので1.7倍の広さ。
敷地内に陸上競技場・体育館・プールを作ることもできるのではないだろうか。

メリットは色々考えられる。
豊洲は埋め立て地だろうから、基本平地。水利もあるから、
陸上競技・水泳競技の施設に向いている。
物資運搬も水運が活用できる。

また、東京五輪の競技施設は代々木あたりと有明で二分されているが、
有明豊洲でほぼ集約される。まさに「コンパクト五輪」。

元々の施設に宿泊施設も作られる予定だったので、
有明に作られる予定の選手村のコストも抑えられる。

千客万来」というテナントが入らないシャレにもならない
商業施設にも、五輪関連施設を入居させることができる。

そして何よりもメリットだと思うのは
豊洲に五輪会場を集約すれば、環状2号線を作る必要性がなくなる。
道路をつくるムダ金が減らせる。

これからかかるコストと削減できるコストを考えれば、
おそらく豊洲を五輪会場にしたほうが賢明に思える。
物流を意識した設計だから、選手・観客・交通の動線
考えやすいし、都心部からはなれて海に面しているので
警備もしやすいのではないだろうか。

選手にとってみても、臨海部にスポーツ施設はあるので、
アップを行うような予備会場も使いやすいのではないだろうか。

専門家ではないので詳しくはわからないが、
代々木(千駄ヶ谷)の用地を基礎工事から始めるよりも
「使えない」と言われている豊洲の施設をまずは無駄なく
使ったほうがいいだろう。

築地市場はそのまま使い、必要に応じて
更新工事をすればいいのではないか。
※これまた専門家ではないが、できないことはないと思う。

豊洲の施設は「仮」のものでも構わない。
五輪施設は、その後の維持費で苦しめられているようだから、
五輪終了後、改めてちゃんとした施設を作ってから市場を移転しても
問題はないだろう。一部利害者以外は…。

代々木の跡地には、必要ならば改めて4万人規模の
競技場を作ればいいだろう。
※8万人とか10万人の施設ははっきり言って無駄。

きっとこれは「暴論」と受け止められるかもしれない。
しかし、ここ数年感じてきた重苦しい空気を一変し、
「目が覚めるような解決策(ブレイクスルー)」とは
案外、こういったものなのではないかな、と思う。