花鳥風月記

流れる水に文字を書く

シン・ゴジラ

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

舞浜イクスピアリにて。
今年に入ってあまり映画を見ることがなく、
長期休暇に一気に見ようと思って3本のうちの1本。

監督は「エヴァンゲリオン」の庵野秀明
そういえば2012年くらいに、特撮展の監督をしていた。
その時はナウシカの「巨神兵」の特撮ムービーが作られていた。
本作は何となくその延長線上にも思えなくもない。

アニメではない、特撮モノに愛着もあるからこそ、の
リアリティや風刺を精一杯盛り込んだものになっていた。
どういう表現が最適かはわからないが、この場では
「空想的リアリティ」という逆説的な表現にしよう。

空想的リアリティは突き詰めると、様々な方面から揶揄があるだろう。
兵器のリアリティや防衛のリアリティを追えば、自衛隊賛美になるし、
逆に疎かにすると、その手のマニアの生贄になる。
顔ぶれを多彩にして、配役に面白みをつけつつも、
踏み外しを避けねばならない。
(田母神氏が出ていたと思ったが、アレのせいか、クレジットはなかった…)

そして、過去作へのリスペクトは欠かさず、
ゴジラは東京駅でその足を止めた。
これは旧作からの底流にある「宮城崇拝」があるからだろう。
そして最後のシーンはそれを証明するかのように、
北の丸公園からの遠景を映し、皇居を冒すことなく
ゴジラはその前に佇むという画を映しこんだ。

ゴジラの進撃と止める手段として採用された姿は、
全電源を喪失して荒ぶる原発に冷却水を注入させた
東京都消防庁の姿を彷彿とさせた。

ハードな解決とソフトな知恵
そのせめぎあいも合わせて描いているような気がした。