花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想 番外編 台北飯店@調布

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かつて新宿駅の南口には、
かなり年季の入った建物で「台北飯店」という店があった。
あの頃の南口は、新宿駅という都会の風景とは対照的に
昔懐かしい「貧しさ」も残っていた。
記憶は定かではないが、その風景は
迫川尚子写真集「日計り」で確認することができる。
大学の先輩に連れられたかもしれないが、
役者志望の輩が夜な夜な飲みに来る、という話を聞いた。

あれから30年近くが過ぎた。
再開発でまったく変わり果てた南口に
台北飯店はない。その代わりその息子さんが
調布に店を構えている、ということは
ネットで知ることができた。

今回、たまたま所用があったので、行ってみた。
デザインも斬新な独特な外見だが、
中はいたって「町中華」である。
メニューを見渡すと、厨房にいるひとの影響か
中華にベトナムなどの東南アジア系の料理も書いてある。

本日おすすめの回鍋肉丼と小ラーメンのセットを注文。
豪快な味付けと盛り。しかしラーメンはしっかりと盛られていた。

新しいメニューに隠れていたが、豚足があったので、追加した。
ついでに生ビールも注文。ま、「飲み」と「食べ」の順番は違うが…。

ああ、懐かしい。そう、この味だ。と記憶がよみがえる。
あの時はもう少し汁気がなく、ステンレスか何かの皿にのっかり、
手で食べると、乾いたティッシュでしか、拭けようがなかった。
今もウェットティッシュがある訳ではないが、箸でも簡単に食べられる。

ちなみに今の店主さんの奥様が、
昔の特撮映画・ドラマのヒロイン役だったそうだ。
ま、そこは個人的には興味の範疇になかったが、
「昔の味」を確認出来てよかった。

お代は1,785円。とてもリーズナブルな店だった。