花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ゲッベルスと私

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神保町・岩波ホールにて。
久々だったが、内装は随分とシンプルになっていた。
入口にはかつて上映されたチラシが年別に貼られていたが、
1988年くらいから通っていたのだな、と思い出した。

ナチスドイツの宣伝相として歴史に刻まれているゲッベルス
その秘書を務めていた女性が103歳となった2016年末に
インタビューに答え、当時の映像を織り交ぜたドキュメンタリー。

深く刻まれた顔のしわをモノクロの陰影を使って
表現する。色がないことで虚飾を排する、
という意味合いもあるのだろう。

103歳ともなれば、ある種の達観もあるのだろう。
戦争責任をじつに大きくとらえている。
私にはない、ただドイツ国民全員がそれを背負うなら、ある。
確かにその通りなのだろう。

歴史上の人物の姿を「見た姿」として
口頭で表現できるのは貴重なのかもしれない。
今はもう亡くなられているので、それ以上を伺うことはできない。
しかし、時間をかけて問い続けるには必要なドキュメンタリーとも思えた。

ホロコーストの有無については、ドイツでも戦後十年近くは
国民に知られていなかったと聞く。
聞いて知ったならば、尚更それを心に刻み、忘れずにいること、
そしてその犠牲者に思いを馳せることは、時代が変わっても
続けていかなくてはならないだろう。
特に日本は。