花鳥風月記

流れる水に文字を書く

あいあい傘

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TOHOシネマ日本橋にて。

25年前に生き別れた父と娘の再会を描いた作品。

元は舞台作品のものを映画化したようで、
パンフレットには「大人が号泣する映画を作ってほしい」の
くだりがあって、なるほどな、と思った。
作り手の下心が透けて見えたため、泣けなかった。
(ちなみに映画を見てからパンフレットを見たが…)

製薬会社の不祥事が元で
詰め腹を切らされ、死を覚悟した高島(東雲)六郎が
自殺を思いとどめたのはある身重の女性から差し出された
あいあい傘だった。

時が過ぎ、育った娘も巣立ちの時期を迎えた時、
六郎が捨てた娘が現れる。
父に会うまでの葛藤を描きつつ、
祭りの夜に感動の再会を果たす。

六郎役の立川談春は、あんまり演技が上手いとは思えなかった。
再会シーンの涙も、もっと他の人はいなかったんだろうか、
とも思えた。

娘役の倉科カナは、丁寧に役作りをしていた印象がある。
居酒屋でのシーンは迫真ものだった。
それだけに「カメラマン」の設定なのに構え方が素人然としていたのが
なぜなのか、と思った。(カメラマンというのが「偽装」ならばいいが…)
最後の清太郎(市原隼人)との因縁もちょっと強引に思えた。
なくてもいいのに…。(舞台での設定がそうだったのか?)
もしそうなら、舞台と映画では詰め込む要素が同じでなくて良いと思う。

なんか未消化で勿体ない感じのした映画だった…。