花鳥風月記

流れる水に文字を書く

スパイネーション 自白

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

ポレポレ東中野にて。
「共犯者たち」のチェ・スンホ氏の作品。
ほぼ2本立ての構成と考えて良いだろう。
パンフレットは合本だし…。

韓国の歴史の中で、
スパイと決め付けられ、不当な逮捕・抑留
果ては死に至らしめるような拷問まで行われる。

本作では、脱北者を使用した検察のでっち上げにより
2人の被害者と、かつてスパイとされた在日同胞の
40年にわたる法廷闘争で無罪を勝ち取った姿を追う。

一人は華僑の出自でありながら、脱北した男性。
妹と韓国で暮らそうとして、スパイ容疑で捕まり、
妹も6か月拘留される。その際に肉体的・精神的な拷問を受け、
ついにでっちあげに同意してしまう。
しかし、その偽造一つ一つを暴いていく。
そしてついに無罪を勝ち取っていく。

もう一人は、容疑をかけられ、尋問中に自殺、と
公表された人物。
具体的な糸口はつかめず、最後は家族との交信が精一杯だった。

日本に渡り、40年前の事件も取材。
最後には韓国で取りざたされた事件がテロップで流れる。
容疑⇒無罪といったものが延々と続く。
民主化された韓国で、自らがその闇を暴いていくところに
ジャーナリズムの強さを見た。