花鳥風月記

流れる水に文字を書く

新年の辞2019

あけましておめでとうごじます。

昨年は積年の澱みが黒い汚泥となって出てきた一年かと思います。

森友・加計問題から露呈した公文書改竄。
築地市場から杜撰な工事が明らかになった豊洲市場への強制的な移転。
辺野古基地建設として蒼海に投入された赤い土砂。
過労死を助長する高度プロフェッショナル制度導入。
外国人労働者を買い叩く出入国管理法改正。
公共事業を外資に売り渡す水道事業の民営化。
男女差別を助長していた医学部入試。
国策捜査の側面も否めないが、日産の経営の私物化。

まだまだ思う所は尽きませんが、
一年でこれだけひどい在り様を呈したのは
かつてないくらいのものでした。
しかし途中からはあらゆる感覚が麻痺してきたことは
「悲しい事実」として心に刻んでおくべきでしょう。

明るいかどうか分からない転換点として
ネット界隈で増殖していた罵声の主の姿が
少しずつ見え始めてきた、ということでした。
「相手にしない」「かかわらない」の隙間を突いて
ネットの世界では捏造・改竄をもとにして
大量のネット民(その「大量」も定かではない)を煽って
個人攻撃を行い、あるいは電凸という直接的な攻撃を使い、
好き勝手・思うままをしてきた人々の素性が
司法によって明らかになってきました。

その姿は伝わる内容としては、
40代半ばの富裕層が多く、
韓国・中国・朝日新聞が嫌いとのことです。

今年以降、彼らが(あるいは「それら」が:自動投稿botもある)
市民社会の「敵」として認定され、その姿を明らかにしていくことが、
歪んだネット社会を少しでも快方に向かわせる唯一の方法かもしれません。
しかしまだ不幸なことに、その歪みを守っているのも
現政権と言えなくもありません。
今の罵詈雑言を垂れ流す「メディア」と極めて親和性が高いのです。

市民の側も社会の異様な空気を感じつつ、
今年はかなりの危機感を持っているように思われます。
統一地方選挙参議院選挙、あるいは衆参ダブルとなるのか。
おそらく「総力戦」を意識して準備を進めていると思います。

優位な選択肢・カードはもちろん政権側にあり、
ちょっとでも要注意な存在は内調を使ってあら探しをする。
時にはそれを「発行部数世界一」と嘯くメディアにリークして記事を書かせ、
あるいは取り巻きを送り込んだ公共放送を利用してでも
問題点を個人的問題にすり替えるという伝統芸を使うでしょう。

または、前段階で刷り込んだ「消費税増税」を
何度目か分からない「凍結」をして信を問うという見慣れた三文芝居や
韓国や中国を敵対するイメージを作り上げて国防を煽るのかもしれません。

しかし外交・経済については
原発・新幹線の売り込みの失敗、
ロシアをはじめとする経済援助の乱発
米国からの武器の大量購入など無能と弱腰が明らかになり、
大国を前にして自らをカッコよく演じることはできなくなりました。

カネは使えど民は貧しくなるばかりの社会となりました。
そんな社会で不遇さを「自己責任」という言葉で切り捨てられることに
おかしい、と気づき始めた人たちが増えてきました。
そんな人たちに冷笑的かつ煽動的な「文化人」が絶えず冷や水を浴びせ
現政権への指示を熱烈にアピールしていて、それらを使うメディアは
自らその社会的責任を放棄しようとしています。
自壊はのちに自戒しても取り返しがつかないことに気付いてほしいものです。

今の時代におかしい、と言える声が増えること。
それを今年の選挙で行動に示すことが必要であることを
多くの人に意識してほしいと思います。

文字通りの「清らかな世界」は
今年投じるその「一票」にかかっているといっても
過言ではないでしょう。

人々の良心が試される一年かと思います。

本年も宜しくお願い申し上げます。