花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (2)

人はどのように生まれ、育ってゆくか。
生まれた時は、無限の可能性があり、「末は博士が大臣か」を想像したりするものだ。
しかし、いつの間にか、「現実」が幾重にも降り注ぎ、振り返ってみては、平々凡々な
人生を悔いる人は多い。
いや、平々凡々は決して悪いことではないし、それは自ら選んで来たはずなのである。
ただ、何か「悔い」があるとするならば、こういうことではないか。
人は、様々な可能性を両手一杯に抱えて生まれてくる。
けれど、人の成長以上に可能性という「玉」が大きく膨らんで、
ひとつひとつ、手からこぼれていってしまう。
成人したころ、僅かに残されているのが、いまの「生業」ということではないか。
こぼれていった、様々な可能性の「玉」をぼんやりと眺めている。
これが「悔い」なのだろう。
人は生まれながら誰かに依存しながらも、自分の道を切り拓かねばならない。
そのタイミングの是非はありながらも、人は生きてゆく。

日本国憲法 第一章 天皇
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、
主権の存する日本国民の総意に基く。