花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (8)

ドミノのひと押しはだれ?
人生で一度はやってみたい、または頼まれて断る人がいなさそうなものといえば何か?
農水大臣の椅子ではない、と言ってしまえば時局ネタだが、
恐らくオーケストラの指揮者、野球の始球式、そしてドミノ倒しの最初のひと押しではないだろうか。
この3つに共通しているものは、事前に万全の準備がなされ、栄えある開始の際、さらに華を添えたい、
という構成員の切なる願いと、一つの動作で全てが動くという「快楽」を得たい権力者(あるいは人気者)
の欲望だろう。
成功・勝利・完遂を求めながら、常に失敗・敗北・破綻と隣り合わせにいる中で、事は始まる。
上手くいって余韻に浸るか、結果が出ず悲嘆に暮れるか。上手くいった場合、全てが美しい。
だが、失敗すれば、犯人探しが始まる。

ところで、上記に上げた3つのうち、ドミノ倒しだけが、途中で修正が効かない。
出た結果に対し、歯止めが利かず、受け止めることしかできない。

バブル経済の原因は何か、複合不況の原因は何か、格差社会の原因は何か。
10年ごとにでてきた社会問題をみると、不思議に軌道が似ていることが分かる。
知らず知らずのうちに出てきた結果、というよりも最初は見過ごしていたものが、
加速度的に進行していった、というのが、本当のところではないか。
「構造」を理解することも必要だが、「最初のひと押しはだれ?」を見て行くのも
必要ではないだろうか。そこには不幸な道を「新しい発想」で舗装している人々が
浮かび上がってくる。

第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
 一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二 国会を召集すること。
 三 衆議院を解散すること。
 四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び
   公使の信任状を認証すること。
 六 大赦、特赦、減刑刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七 栄典を授与すること。
 八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
 九 外国の大使及び公使を接受すること。
 十 儀式を行ふこと。