花鳥風月記

流れる水に文字を書く

街の灯

イメージ 1

今までチャップリンの映画をまともに見たことはなかった。
先日、東京駅で、500円映画DVDがあったので、まとめて購入。
「これが最後の販売になります」という表記があったが、1年くらい前にも
同じ表記をみた。

1931年なので、今から77年前になる。
BGMはあるが、無声映画に近い。
セリフがない分だけ、近年のアメリカ映画のような、下品な言葉が無くて良い。
その頃の映画、と思いを馳せると、恐らく画像が動くだけでもワクワクしたのではないか。
チャップリンは、そのワクワクを裏切らなかった。

目の不自由な花売りの娘(言い方が古いなあ…)に家賃と治療費を稼ぐために
孤軍奮闘する。ボクシングの試合のシーンは、今でも十二分に楽しい。

最後は、ようやく分かり合えたシーン。これが、ジャケットになっている。
映画のフィルムと違い、ジャケットの写真は、皺まで分かり、どこか写実的だ。
いわゆる、ユーモアとペーソスというのは、映画のシーンにも、にじみ出てるが、
写真の力も観た人の頭の中で、ストーリーテラーのように蘇っていったのではないか。
写真の方は、映画よりも表情は力強い。
同じシーンなのか、後から撮り直した(こっちだろう…)かは分からないが、
白黒や鮮明でない画像の中にも、ナラティブ?(文体)が含まれている。
(やや小栗康平風…)