花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (37)

何を押収するか

家宅捜索の映像が流れることがある。
六本木ヒルズにあるライブドアが記憶に新しい。
これも結構古くなってしまった感もあるが…。
捜査官が、2列になって、それをカメラが追いかける。
半ばショウ的な要素も多く含んでいる。

それにしても気になるのは、何を押収しているのか、ということ。
段ボール箱が沢山運び出される。
大抵は帳簿や社内文書、というところだろうが、
一つ一つをみるのも大変な手間だろう。

もう一点、いつも新品の段ボールを使っているようにみえるが、
リサイクルしないのだろうか。または、資源の節約に別素材を考えないのだろうか。

さらにもう一点、「犯行に使われたものを押収」なんてことも良く聞くが、
原発の「事故隠し」なんかで、家宅捜索を受けたとしたら、
問題の「燃料棒」なんてものを押収するのだろうか。

そんなこんなを考えると、押収するものを選ぶことで、
本質とは違うナラティブ(物語)が作られてしまうのだろうか。
「国策調査」なんてことばを最近耳にするが、
意外に、捜査は「操作」に通じ、饒舌なのかもしれない。


第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び
      押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、
      正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を
      明示する令状がなければ、侵されない。
    2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。