花鳥風月記

流れる水に文字を書く

狼よさらば Death Wish

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この休みの間、DVDとテレビで映画を2本観た。
テレビ東京の昼間の映画は、西原理恵子がマンガで書いているように、
昔は「女囚モノ」などの、ダラダラした映画をやっていたのだが、
ここ最近は、テーマを設定して上映するので、なかなか面白い映画をやることがある。

今回は「男気?シリーズ」らしく、チャールズ・ブロンソンの映画の特集だった。
チャールズ・ブロンソンについては、「ん~マンダム」の印象が強く残る。(古い)
キャラクターのインパクトが強く、映画については、ほとんど記憶がなかった。
今回の映画は、たまたま、テレビを見ていたら、特徴的なBGMが流れ、
よく見たら、音楽担当が、ハービー・ハンコックだった。
ハービー・ハンコックは一時期「Rock it」で、有名になったが、
本来は、新しもの好きのジャズ・ピアニスト。
今回も、エレピのサスティンがよく効いていた。
映画にも興味が沸き、そのまま見た。

ストーリーは、NYに住む建築デベロッパーの主人公の妻子が、ごろつきにより
殺害・廃人にされたのをきっかけに、復讐と社会正義のために、銃を手に持ち、
ごろつきを手当たり次第に殺害してゆく。
社会治安が悪いなか、銃による制裁は、俄かにそれを支持する者が表れる。
是非を言えば、「凶悪な月光仮面」という感じで「非」であるが、
それでも、作品のなかでは、事件の発生件数が減少していることに触れている。
勿論、メッセージとして、「市民も強くなるべし」という「逃げ道」は作られている。
最後は、犯人として身元がわれ、深手を負った際、不逮捕を条件に、NYを出る。
そして、降り立ったシカゴで、何やらまた…。という感じで終わる。

続編を匂わすような終わり方だが、調べたら、第5作まで、続編があった。
音楽は、2・3作目はなんとジミー・ペイジが作っている!
あらすじは1作目と大差なさそうで、娘・戦友・知り合いの娘・再婚の妻子と
必ず自分の身内に不幸が降りかかる。「ダイ・ハード」よりも不幸だ。
ここまでくると、どんな人でも「こんな人には関わりたくない」
と思わせるほど、キツイ設定。
でも、日本以上に「勧善懲悪」というか、「相手を殺す理由」を欲する米国映画には
なくてはならないものだろう。

どうやら、この映画の後に、クリント・イーストウッドの「ダーティー・ハリー」
シリーズが出来たらしい。そういえば、割と無口な主人公の設定は似ている。
クリント・イーストウッドは意図的に台詞を減らした、とのエピソードを
聞いたことがあるが、その人物のもつ「空気=チャールズ・ブロンソン」像を
作りたかったのだろう。

まあ、嫌いではないが、やっぱり物騒だ。