花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(87) 高田馬場から新宿を見つめる

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山手線の駅の中で、高田馬場は、
割と目立つようでいて、目立たない。
東京と横浜の関係であるなら川崎であるように
新宿と池袋の間にひっそりとある。

8月に行われるサンバ祭りも、もとはといえば、
埼京線高田馬場を通過することに端を発していた。
今回、東京メトロ副都心線が6月に開業するが、
やはり、池袋と新宿がより近くなり、高田馬場は遠くなる。

早稲田通りには、ラーメン屋とエスニック料理がひしめき合い、
古本街は、ワンルームマンションの乱立で勢いを失っている。
そこに住む学生は、清潔にはなったが、知性はなくなった。

職場近くで、建物の取り壊しが続いている。
大手銀行が、統廃合の末、支店と大きな社員寮を取り壊す。
かなり広い建物で、その広さはそれこそ「馬場」であることを
彷彿とさせる。

次にどんな建物が建つのか。一応高さ規制はあったと思うが、
羊頭狗肉の感もある。

実はそんな先例が新宿の西口にある。
東京モード学園が、駅前に数百メートルのタワービルを作る。
いわゆる地元ミニコミ紙の話では、常時1万人は通うとのこと。
どこまでほんとうか分からないが、蚕の繭をイメージした
異様な建物は、高田馬場の山手線線路沿いの道路からも見える。

変わりつつある場面を複雑な思いに駆られながら、
いつも見ている桜が満開となっていた。
桜は花見で、群生しているのを鑑賞することも良いが、
いつもの風景に映える桜だからこそ、季節を実感できる。