花鳥風月記

流れる水に文字を書く

伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』

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第5回本屋大賞、とのこと。
この賞自体に関心がなかったものの、藤原伊織なきあと、
「読める」ミステリーを探すには良いきっかけとなった。

現職首相の暗殺という事件の犯人にでっち上げられた主人公の
3日間にわたる逃走劇がメインストーリー。

ストーリーの下敷きには、「JFK」(きっと「逃亡者」なども)があり、
「オズワルドになるなよ」ということばが、主人公を逃走させる原動力となる。

ともすると、ストーリー展開がみえみえになって、
つまらなくなる危険性がありながらも、
500ページにわたるストーリーを飽きさせないのは、
リアリティの高い描写力と、スピード感あふれる展開の早さによる。

久々に読み応えのあるミステリー本だった。

余談だが、「轟」という名前の人物がいるのだが、
そこのページをぼんやり見てると、
「轟」という字体が、インベーダーゲームでいるような
キャラクターに見えて、何度も使われると
「ああ、いっぱいいるなあ」と感じてしまった。