花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (52)

幸か不幸か

2008年5月3日の主要紙の社説を読む。
昨年と違うのが、明らかに緊張感がなくなっていた。
昨年は、国民投票法案のこともあり、熱を持っていたが、
今年は、改憲ムードの停滞と、「ねじれ国会」、
不景気と値上げラッシュ、ガソリン暫定税率復活など、
市井の生活基盤に関心が変わってしまっていた。

ある意味、よろこばしいのかもしれないが、
あまりにも昨年との落差があり、がっかりなところも。
特に朝日新聞。もう「事なかれ主義」が染み付いてしまっている。
読売や産経・日経は、もっと真面目に改憲論議をせよ、との意見。
ただ、読んでいて本気度はそんなに無いような印象だった。

参議院の野党過半数の「ねじれ」に絡んで「参議院不要論」を
出している新聞も複数あった。
上手くいかなきゃ存在を否定する姿勢はとても「社会の木鐸」ではない。

その他、ワーキングプア、ネット難民、「後期」高齢者保険など、
最近の問題点と憲法を単純につぎはぎしただけの論調が並び、
読んでいて失望感が多かった。

しかし、全部がダメ、というわけでもなく、
東京新聞の社説はまずまず、といった印象。
憲法に関する「砦」意識は、ここでも何度でも書いているので、
親近感があった。というよりもしや…。