花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (53)

前である「ひと」

銀行のCD機の前に並ぶときのあのロープ。
割り込みを避けるため、人の流れをスムースにする目的だろうが、
とても嫌なものである。
時には、誰も並んでいなくても、張り巡らされている。

一つの役割を担うとき、時として
「人間」としての感覚を失うことがある。
それは、お互いがそういった感覚をなくすことにもつながる。

並べる側としては、人をただの「流れ」としか見なくなり、
並ぶ側は、「そういったもの」と思ってしまい、慣れてしまう。

いろんな理由が付随するにしても、まずは、ひとの常識として、
列くらい自発的に並ぶことがほんとうに出来ないのだろうか。

何かを信じる接点が欠けたとき、人は「特権」を求めるようになる。


第五十条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、
     会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放
     しなければならない。