花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (67)

「格」言

「格」ということばをいろいろ調べると、身分や地位を分ける、という言葉に行き着く。
「本格派」「別格」「格が違う」など、一段も二段も上、というイメージが頭に浮かぶ。

しかし、その「格」は生まれ持ったものではない、ということも同時に感じられた。
どちらかというと、不断の努力によって得られた地位であって、
決して世襲や棚からボタモチでは得られないものではないか。

さて、近年の内閣総理大臣の人となりを見ると
二世議員や派閥抗争や連立工作の妥協によって出てきた人物が多いことに気づく。
非武装中立を訴えていた政党のまゆげのじいさんは、安保体制の堅持を訴え
旧対立政党から拍手喝采を受け、
若い頃から地盤・看板・鞄を当たり前のように受け取っていた二世議員は、
縦横無尽な言動で世間を騒がすか、何もしないで顰蹙を買うかのいずれかになっている。

共通しているのは「格」を得られる機会というかチャンスが無かったのだろう。
そう思うと内閣総理大臣ということばは「無い格総理大臣」に思えて仕方ない。


第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及び
      その他の国務大臣でこれを組織する。
    2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
    3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。