花鳥風月記

流れる水に文字を書く

大琳派展

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上野の東京国立博物館・平成館にて。

以前の、「日本の巨匠の対決展」の際、
俵屋宗達尾形光琳の「風神雷神図屏風」が見れずがっかりだったが、
今回は、琳派の代表作なのだから、と期待していったら、
俵屋宗達のがなかった。がっかり…。
28日からの公開らしく、今度はもう一度行かなければならないかなあ、と思った。

しかし、尾形光琳のそれは、色彩が素晴らしく、感動に値した。
まあ、残念なのは、平成館はすべてガラス張り展示で、
平面がゆがんでいるので、何か損した気分になる。

琳派の中で目を引いたのは鈴木其一。
酒井抱一も良かったが、鈴木は別格に思えた。
酒井は、どちらかというと先人の技術の伝承に力を
鈴木は、発展というか独創性が突出したような印象を持つ。

今回の作品群をみて思ったのは、月はなぜ黒いのだろう、ということだが、
観に来ていた人の会話で、それは月で使用していた銀が腐食して黒くなった、
ということらしい。

金屏風の銀、というのもあまり想像できない。
むしろ、ぽっかりと空いたような群青のような色が
夜の闇を彷彿とさせて良い様な気がする。

平日の午後ながら、混んでいる。そして、うるさい。
夫婦連れも、おばさん同士も。とにかく辟易する。
合ってるかどうか疑わしい男のウンチクや、
見たくもないのに目に余る女のはしゃぎよう。
中には、なんでここで話すの、というようなおばちゃんの他愛もない話題も。
館内では、1人で鑑賞、という法律でも作ってほしい。

作品は見ごたえがあった。2時に入館したが、観終わったのは
閉館前の4時半すぎ。もう一度、尾形光琳の「風神雷神図屏風」を見に再入場。
わりと最初の方の展示だったので、人はまばらで静かだった。
こういった雰囲気が、本当なんだよなあ、と思いながら
しばし鑑賞。心が落ち着く。

そして、すこし離れて見回すと、鈴木其一の「風神雷神」も含め、
並べて展示されている風景を感じる。
すごい贅沢な空間にいるのだなあ、と実感する。

もし、俵屋宗達の「風神雷神」を見るなら、閉館前だなあ、と思った。

それにしても、図録は3,000円。高すぎる。