花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (76)

顔が見えない

顔が見えない仕事とはどんなメリットがあるのだろう。
何をしているか気づかれない。
何をしても許される。
何を言われても直さない。
こんなところか。

権威・権力は、姿が見えないほど、恐くなる。
目に見えるものならば、憎悪・風刺・諧謔の対象にもなるが、
見えなければそれすらも、できない。

やったことに対する評価は当事者がおこなうべきだが、
当事者の利害は抜きにして、並べられた名前にバツを付けることで
評価を問うだけとはどうなのか。
トイレと同じく、端っこに「人気」は集中する。

行政(内閣)や立法(国会議員)の人間の顔は良く分かるが(個人PRも含めて)、
当代の裁判官は全く見えない。
そう、良く知られた顔とは、大岡越前であり、遠山の金さんくらいなものである。

そう、司法のお歴々は、厚いヴェールにて、守られている。


第七十七条 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び
      司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
    2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
    3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、
      下級裁判所に委任することができる。
第七十八条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができない
      と決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。
      裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
第七十九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官
      でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
    2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙
      の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員
      総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
    3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、
      その裁判官は、罷免される。
    4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
    5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達したときに退官する。
    6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、
      在任中、これを減額することができない。