花鳥風月記

流れる水に文字を書く

さよなら週刊金曜日 その3

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そして1年が過ぎた。
自分の考えは概ね固まっていた。購読を辞めようと。
理由は、最初にも記したが、つまらないから。
1年間、決して熱心な読者ではなかったが、
それでも目を引く記事にめぐり合えなかった。

購読更新の督促状は、編集長の北村氏に変わっていて
丁寧な文面に変わっていた。
少しは役に立ったのかもしれない。
無視も良くないと思い、メールを送った。

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昨年、購読更新に際して、色々とお手を煩わせた○○です。
既に、今回の期限が過ぎてしまってからのご報告で、大変申し訳ございませんが、
この度、購読を中断させて頂きたいと思います。

理由を以下に書かせて頂きます。忙しいと存じますが、お時間がありましたら、ご覧下さい。

単純な理由ですが、やはり「面白くない」というのが大きな理由です。
「面白い」というのは様々な解釈にもよりますが、
年間23,000円、週500円に見合う雑誌ではない、
というのが一番に挙げられます。
「タブーなきジャーナリズムの挑戦」という趣旨には理解しようと
努めてきましたが、面白くないものをそのまま支持することが
果たして本来の趣旨に沿うべきことなのかをよく考えました。
読者は本来「役に立つ(これも色々な解釈があります)」からこそ雑誌を買うわけであって、
定期購読を更新することで、作り手に「役に立たされて」いるのではないかと思い至りました。
そう考えると、むしろ一旦、距離を置くことによって、
今一度、その真価を問うてもいいのではないかと思いました。
15年という期間で言えば、日本では、昔の時代では「元服」・
今ではちょうど中学を卒業という時期です。
ある意味で、個として自立することが求められています。
そこで、これからは「面白ければ買う、それが続けば定期購読もしよう」ということにしました。
といいながら、ここ2~3週は、買っていません。本屋で見つける努力を怠りました。
しかし、今週か来週は買ってみたいと思います。恐らく筑紫哲也さんの追悼号かと思いますので。

ちなみに、私の言う「面白い」は偏りがあるかと思います。
私は広く政治・経済・文化について、「分析の視点」を持ったレポートが充実していれば良かった、
と思っています。
また、編集委員の人選をもっと分かりやすくしてほしいと思いました。
いまだに「雨宮さん」という方はよく理解できませんし、
ここ最近の誌面に、他の編集委員が定期連載以外に出てこない
(年齢や健康上の理由もあるかと思いますが)のが、不満の一因でもありました。

その他については、去年指摘させて頂いたことと大きな変化はないかと思いますので、
今更に言葉は継ぎません。
個人的な気持ちとしては、「頑張って欲しい」ということに変わりはありません。

最後にわがままなお願いではありますが、(略)
貴誌が比較的購入しやすい書店を教えて頂けたら、と思います。
また、バックナンバーが常設しているところがあれば、買いそびれた時に利用したいと思います。

駄文・長文、失礼致しました。
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このメールに対しての返信は、1週間が経過したが、ない。

契約最後の冊子のタイトルは「アメリカよ、さらば」だったが、
自分的には「週刊金曜日よ、さらば」だった。
冊子の一部が破損していて、何となく関係が切れる雰囲気を
醸し出していた。

返事がなかったので、岩波ブックセンター週刊金曜日を購入した。
筑紫哲也の追悼号を読むためだ。
実際に、レジで499円を払った。「高っかいなあ」と思った。
実売と定期購読で、こうも感覚が違うのか、と身をもって知った。

その号で、本多勝一の事故の話を知った。
かなり弱気になっている…。大丈夫かなあ…。
なんか「ジャーナリズム」の世界の歯車がガタゴトと音を立てている感じがする。
そう、なんか崩れるような音が聞こえてくるようで…。(終わり)