花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想 番外編 西葛西のC

年末の忙しい時、夕食を食いっぱぐれて、駅前で食べる。
いつもなら「末っ子」、たまに「勝龍軒」といったところだが、
「C(頭文字だけでごめんなさい)」(よく知らないが有名らしい)の
フランチャイズ店ができていたので入ってみる。

やはり注意すべきだったのは、「こだわり」と「店主(社長?)の顔」が
前面に出ているところは「ハズレ」が多いことだった。
とんこつらぁ麺を頼んだが、残念なことになった。
厳選素材の謳い文句は、味わいのハーモニーを決して奏でない。
………………………………………………………………………………………………
自然には、摂理はあっても合理性、経済性は存在しません。合理的とは違って、
実に巧みにできています。それは人智を超えた永劫の原理です。
この原理、摂理を料(はか)ることこそ、まさに「料理」なのです。
(棚橋俊夫『野菜の力 精進の時代』172ページ)
………………………………………………………………………………………………
この言葉が浮かんできた。

フランチャイズで難しいのは、味の均質化と同時に、
作り手のモチベーションにあると思う。
人材不足であれば、寿命は短い。
特に経営者の個性が出やすいところは、
急速に拡大し、急激に凋落する。

もしかしたら、自分の味覚バカもあるのかもしれない。
しかし、「西葛西にも、有名ラーメン店がきたんだなあ」と
楽しそうに話していた何人かのクループの会話の
その後を耳をダンボにしたかった…。