花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景 (82)

値切りの法則 その1

買い物は常に人生勉強。
人は生涯年収のなかで、いかに商品に巡り合えるものなのか。
多くの消費と「浪費」を費やすなかで、
より賢い・ずる賢い消費者であろうとする。

ここでは「人生勉強」のごく一部を書き綴ってみたい。

価格交渉は、コミュニケーションの中から生まれる。
しかし、その機能を逆手にとって武器にすることができる。
かつて象牙の装飾品を購入したときのこと。

お店の人いわく、「これは“蔵出し”といって、腕の良い職人の作品を、
時間を置いて出しているんですよ」といって4万円プラス消費税で、
お値打ち、を極めかかってきた。

まずは商品をじっくりみて、ここが少し歪んでいる、とかのジャブの応酬。
続いて、他との比較に入る。
「これは確かに、他のモノよりも、この点で良い、けど金額が…」

続いて時間をかける。
「確かに良いですよね。これも見てもいいですか…」
大体30~40分かけ比較検討、あいだに狙いの商品を見て20~30分。

人を見て、ざっくり金額を言ってみる。
「正直なところ、3万円なら迷いなく、是非買いたいと思います」
たまたま、お店のオーナーの家族と思しき人。
従業員なら、そこまで言えないかもしれないが、
もともと客足のよい店でなければ、在庫抱えるか、
売り払うか、どちらが良いか考える。←しめた…。

相手の条件を引き出す
「分かりました、3万円でどうでしょう。税抜きで…」

【ここがポイント】黙る。とことん黙る。
その時に表情を消す。せっかく値引いて喜ぶかとおもったが、
肩透かしを食らった、という表情をする。
(実際、そんな表情をしているか、分からないが、仏頂面には自信あり)

後は、相手の妥協を待つ。
「分かりました、税込み3万円でやりましょう」
定価4万円が、実質28,600円位でハンマープライス

価格は需要と供給で決まるが、
財布の紐を緩めない、消費者の決闘で生まれることもある。
見習え、国。


第七章 財政
第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、
      これを行使しなければならない。