花鳥風月記

流れる水に文字を書く

筆致俳句 (18)

音立てず ざくろの花は 我知らず(おとたてず ざくろのはなは われしらず)

音聴かず 柿花咲くは 誰のため (おときかず かきばなさくは だれのため)


民主党の小沢代表が辞任した。
後任は、岡田・鳩山の一騎打ちの様相を呈しているらしい。
西松建設献金問題が表面化した時点で代表をやめるべきとの声の中、
ひたすら代表の座、というよりも次期政権の総理の椅子に
こだわってきたのではないだろうか。

しかし、そのままで本当に政権交代が可能なのか、
仮にできたとしても、「壊し屋」の異名をもつ人物が、
実った種子をばら撒いてしまうのではないか、との不安もあった。
最後は、後遺症を残さずあっさりと身を引いたようだが、
何がしかの一物は、胸にあるような気がしてならない。

後任候補として、市井(しせい)の評判が良いのは岡田元代表
鳩山氏が政治家一族という「世襲」というマイナス点があるなか、
一大マーケットグループの系譜にあるものの、
古い政治の色にまみれていないところが良いようだ。
ただ、今でも記憶にあるのが、前の衆議院選挙での大敗したときの
なすすべもなく、茫然自失となった「暗い顔」。
「その顔」が再び蒸し返されたら、イメージは落ちるかもしれない。
まあ、そうなるとしたら「内ゲバ」としか思えないが…。

いざ「選挙の顔」となったらどちらを選ぶのだろうか。
実りに実った「政権交代」という果実を口にすることができるのだろうか。
ただし、それが本当に国民のためなのか、「勝ちたい」だけなのか…。

※今回は季語を入れ、句の頭をつなげてみた。