花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ウルトラミラクルラブストーリー

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シネカノン有楽町2丁目にて。

横浜聡子という新進の映画監督による作品。
映画監督・主演俳優・キャストなど、青森出身にこだわった作品。

松山ケンイチふんする水木陽人(ようじん)は
ちょっと思考回路が異なる人物。
(まあ、暗喩として農薬でやられた、という感じではあるが…)

祖母に面倒を見られながら、細々と農業を営む。
ただ、行動が破天荒なため、しばしば白い眼を向けられる。
そして、出入りする幼稚園に来た神泉町子先生とめぐり合い、
恋心を抱いて始まるラブストーリーという設定になっている。

無農薬の農法にこだわりながらも、
農薬によって、全てが解決され、
自分の脳がきれいになる、と思い込み、農薬を浴びる。

その後のストーリーは映画を観るべきと思うが、
なかなかシュールな感じがあった。
モチーフとしては、子どもの「恐怖話」がそのまま映像化したような
ある意味ファンタジーであり、もう一方でホラーチックな
ラブストーリーになっている。

なかなか実験的な出来栄えだった。
最後の町子が陽人から受け取ったものも、
絶対リアルには起こりえないのだが、そこはファンタジー
そしてそれを熊に投げつける、というのもシュールではあったが、
そのシーンを観た後で、かつて「ウルトラマン」で、
月に取り残されて怪獣となった人間が、
ウルトラマンに水をかけられながら苦しんで死んでいった
ストーリーを思い出した。
そう、この映画はなんかものがなしいものがあった。