花鳥風月記

流れる水に文字を書く

村上たかし 『星守る犬』

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先日、「アクション」に載っていたマンガを読んだ。
それは、この本の続編だったようだ。
新聞にも、結構な広告が出ていたり、
神田の三省堂にも平積みバンバカ、という感じだったので、
買ってみた。

さあ泣け、といった帯が若干のとっつきにくさを醸し出していたが、
読んでみて、たしかに目が潤むこともあると思う。

時代に翻弄されるおとうさんと
拾われ育てられた犬ハッピーの物語は、
家族が崩れたところからスタートする。
明日をも知らぬ旅、といった中での出会いや、
トラブルといったことが劇的で、かつホロリ、とさせる。
犬の感情表現と必死なしぐさが、犬を飼っている・飼ってないにかかわらず、
何か心を和ませるものを持っているようだ。

映画の「イントゥ・ザ・ワイルド」のような展開もあったが、
続く「日輪草(ひまわりそう)」へのつながりが、
「夕凪の街 桜の国」を想起させた。

あとがきから察するに、今の時代に対し伝えたいメッセージも強いようだ。
そういう意味では優れたメッセージを持ったマンガではないだろうか、と思った。