花鳥風月記

流れる水に文字を書く

外山滋比古 『新エディターシップ』

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今から30年以上前に刊行された著作に
新編2編を付け替えて再度刊行された。

よって、中には古い内容のものもあったが、
総じて、新鮮味のある切り口を感じた。

エディターシップという言葉を「編集」という一般的な概念でとらわれず、
ひろく人間社会に敷衍して論じている。
その意味では、示唆的であり、学ぶべき内容も多かった。

また、エディターシップというものが、専門的な能力というよりは、
人間に予め備わっている機能で、人は少なからずそれを使っている、
ということである。

勿論、書籍・芸術などの専門性(プロ)があることは言うまでもないが、
近代のエディターシップは、もう少し評価されてしかるべき、
という論もある。

参考になることは多かったものの、
いかんせん文章の抑揚がなく、なかなか読み進められなかった。
「役に立つけど、面白くない」学校の授業のような本だった。