花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(166) ロードマップとグランドデザイン

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先日、近所のコンビニが閉店になった。自宅から50メートルと離れていない。
つい最近まで利用したと思ったので、いつの間にか、という思いでもある。
「いつも同じ」という無機質な空間は、ある意味「リセット」「リチャージ」という
回復機能がない事もなかった。それが、「リピーター」という「生活習慣」になる。
ちょっと残念な気がしないでもない。

しかしながら、自宅を取り囲む環境としては、
団地1階にもコンビニがあり、やはり50メートルと離れず
スーパーがあり、駅に向う道すがらには、それこそ数え切れない。

「過当競争」になっているのは随分と前からいわれていることだが、
最近では、惣菜の割引販売の可否についても話題になった。
資本主義ゆえの生存競争、というのもあるのかもしれないが、
同じグループであっても、あまりにも無計画な印象は拭えない。

もっとも、個人事業主が目にするのは、
自店を中心としたエリア分析だけかもしれない。
「規模の利」を追求する本社側は、雛型のついた
計画書(ロードマップ)を全国にばらまいているのだろう。

「どこにでもある」、というのが便利な反面、
「どこにでもできてしまう」というのが、
街の景観を損ね、住む人の人間関係や経済状況を逼迫させる。

街づくりにはグランドデザインが必要になるだろう。
それには流通経路の全てをおさえるコンビニには限界があるだろう。
当事者の「利害(いろんな意味で)」を反映させ、
当事者にも参加意識が生まれるような生活圏を作り上げることで、
コンビニで見かけるような問題点も解決してゆけるのではなかろうか。

目張りの隙間から、普段ではありえないくらい雑然とした店内が伺えた。
しかし、看板だけはすべてしっかりと外されていた。
きっと、こちらにもロードマップというかマニュアルがあるのだろう。
その意味では「鮮やか」なのかもしれない。