花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ドキュメンタリー頭脳警察

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渋谷のシアターNにて。
全3部作を一気に観る。5時間超の映画。やや覚悟して行く。

頭脳警察といえば、伝説がかった話が先行していた。
そもそものきっかけは、PANTAのソロ活動から知る事となった。
イカ天の審査員としてかソロが先かは覚えてないが、
PANTA&HALの「1980X」を聴いて、頭脳警察が聴きたくなった。

その後、1990年頃、復活が話題になり、
「LIVE IN CAMP DRAKE」を購入。
「Blood Blood Blood」に衝撃を感じた。
今回の映画には、この曲が出てこない。
昔と今という距離では、やや中間地点にあったからかもしれない。

映画は、過去3年間に渡って、とり続けたビデオから、
頭脳警察の過去を振り返り、ソロ活動を始動させた第1部
母の死を機に自らの起源を模索し、ソロ活動をする第2部
頭脳警察の復活と、結成40周年への足跡をたどる第3部
となっている。

頭脳警察が持つ、反権力・反体制・左翼というイメージは
時には重たく感じることもあったようだ。
しかし、本編の映画には、人間・中村治雄(PANTA)の
姿がありありと写されていた。
その中で、頭脳警察で縛られていった「偶像性」を
人間の生きる姿として乗り越えているように思えた。

フォークゲリラなんてダセェよ、と喝破する半面、
氷川丸の元乗組員を尋ね歩く姿は、
たんなるカッコだけでは終わらない、人の深みを感じた。

「止まっていることと、変わらないということは、違うんだよ」
常に何かを見据える視線にブレがないからこそ出せる言葉だと思った。

5時間を観終えたあとは、不思議な爽快感があった。
やはり、これはこの位長くないと勿体ない、というより
もっと長くても良いんではないかとも思った。

トークイベントがあり、PANTA本人が登場。
終了後、観客一人一人に挨拶をしていた。
サインを貰い、握手を2回する。
握手は、今までいろんな人とした中で、一番力強かった。
こんな所にも、彼の誠実さが垣間見えた。