花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (14)

平等であって、…差別されない。

十四条のこの条文を見るたび、悲しい気持ちがこみ上げてくる。
つまりは、そうでないからだ。
そうでないから、書いてある。決めてある。

平等でないこと、差別されることは、
人間が作り出す社会のなかで常に存在するものであり、
人に言わせれば、闘争の目的であり、
人に言わせれば、永遠の課題であり、
人に言わせれば、必要悪である。

だからこそ、悲しい道標(みちしるべ)として、
暗く、寒いその社会の中にたちつくしているように思う。


第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は
     門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
   2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
   3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、
     現にこれを有し、又は将来これを受けるものの一代に限り、その効力を有する。