花鳥風月記

流れる水に文字を書く

なごり雪


このところ、天気の移り変わりが激しい。
この前のぽかぽか陽気がウソのように、寒い。みぞれが混じる。
風も強く、氷結したであろう雨粒が、窓にバチバチッと当たる。

久しぶりの休日は、昼まで寝て、天気を見て、外出を諦めた。
まあ、もう少しすれば、温かい日々がやってくるので、寝て待とう。

そういえば、こういったのを「なごり雪」というのかなあと思い、
ふと、思い出してみる。

中学の卒業式の最後に、女子が全員立ち上がって唄っていた。
それがあらかじめ決まっていたことか分からなかったが、
その唄に乗って、体育館を後にした。

高校も志望校に合格し、なんの後悔もなく卒業したが、やはり名残惜しかった。
自分のいた中学は、校内暴力もなくはなかったが、当時からしたら、
まあ落ち着いた学校だった。

それであっても、分からないカンパが回ってきたし、
イジメもあり、生徒が騒いで授業にならなかったことがあった。
でもそれが「当然」だったような「軽い絶望感」があったのも否めない。
中学3年生の頃、ふとしたことから、校内暴力が「事件」となって
全国にTV放映された。

TVに流れた生徒の「荒れよう」は、
実は過剰に反応したTV局の取材によるものだった。
その日は実力テストだったが、そのままやったかどうか覚えていない。
そのかわり、空撮をした、TV局のヘリコプターの轟音は良く覚えている。

そんなことがあったためか、卒業式の日には、パトカーが1台停まっていた。
確かに当時は「お礼参り」もあった時代の、少し後の時代でもあった。
20年たったら、それはもう、笑い話に近い思い出となっている。

なごり雪は、そんな当時のひとコマにも、降り積もっている。