花鳥風月記

流れる水に文字を書く

筆致俳句 (23)

足取りは ぽっぽカンカン ザワザワと


8ヶ月の短命に終わった鳩山政権。
「マニュフェスト」よりもキツイ「約束(普天間)」をしなければ、
もう少し長くできたのでは、とも思う。

後任は、菅直人市民運動の出ということもあり、期待も寄せられている。
菅氏の印象に残るのは、演壇にしがみつきながら質問を続ける姿、
厚生相の時、薬害エイズを詫びる姿、カイワレを頬ばる姿、
民主党代表の時、年金未納を追及しながらも、自らも未納が分かり
代表を辞し、頭を丸めて四国遍路を回る姿。

確か、筑紫哲也のコラムで「とことん総理になるチャンスについてない男」と
ぼやいていたことを思い出す。この状況を草葉の陰でどう思っているだろう。

ただ、普天間にしても、これからきっと出てくる消費税増税にしても、
すべては「次のためのお膳立て」と見受けられるのは、考えすぎだろうか。
菅直人は経済オンチとの評価もあり、ここ近年は、来るべき政権のため、
経済の勉強を続けていた、との話。
しかし、そこで吹き込まれる経済の知識が一体どういうものなのか。

物事には、「常識的」という権威に取り巻かれる判断と
「非常識」というアマチュアリズムがある。
確かに、日本の借金は膨大なもので、だから消費税増税は必要、
という説もあるが、本当に消費税を増やしただけでそれが解決するのか。
何か「学者(プロ)」の視点とは違ったやり方でないと、だめなんじゃないかと。
そういう意味で、「非常識」で攻め立てる(何に対してが、勿論問題だが)
手法もあったらなあ、とも思う。なんか、もうそれしかないじゃん、とも思ったり…。

鳩の一人歩きのように、ヨタヨタと政権の座をあとにした鳩山由紀夫に代わり、
鳴り物入りで登場した菅直人、そして未だ隠然たる力を持ちタイミングを見て
騒ぎ立てそうな小沢一郎。それぞれの名前が、足取りをイメージしているようで。