花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (30)

○税の義務


当たり前に認知された、この条文。
いつものパターンで、ひっくり返して考えてみよう。

「脱」税の義務
さあ、どこの稼ぎから引っこ抜くか…。
お上から認められたら、意外と起業家精神が高まるかもしれない。
税金で取られるから、財布のヒモが固いなら、
税金で取られない分、余分な買い物ができるんじゃないだろうか。
どうせ、税金を払っても、国の無駄遣いがなくならないのだから、
せっせと脱税し、おカネを使ってもらった方が、
経済が潤うんじゃないだろうか。
これこそ、まさにトリクル・ダウン。
わかったか、平蔵。

「課」税の義務
自分たちで使い道を決めるため、どこから税金を取るか…。
いや、正確には「納めてもらう」だが…。
もし、お上に対して国民が課税の義務=課税のイニシアチブを取ったら、
国民生活に支障をきたすアコギなマネはしないだろう。
生活必需品には税の負担を低くし、贅沢品に高くする。
低所得者層(高所得者層が国民の大半を占めることはまずないから)には
税負担を軽くし、高所得者に高くする。
普通に考えて当たり前のことができるのではないだろうか。
もっとも、国民参加の民主政治がしっかりしていれば、
きっとごく当たり前の流れかと思うが、
そうはならないのが、この世の定め、というか、不思議。

伝家の宝刀は、使う人間がダメだと、錆びる。


第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。