花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想 番外編 山利喜@森下

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区役所まで用事があった。
江戸川区役所は、電車のアクセスが悪く、
バスの乗り継ぎとなる。
せっかくなので、都バス・都営地下鉄の1日乗車券を購入。
用事を済ませた後、船堀経由で、森下に行く。

飲みの世界では、「東京三大煮込み」なるものがあるらしく、
千住の「大はし」、月島の「岸田屋」、森下の「山利喜」とのこと。
確かに、開店と同時に入ったが、みるみるうちに席が埋まる。
近くには新館もあり、時々、店員が走って移動しているが、
この日は、貸切になっていたようだった。

今回訪れた本館は、昨年12月にリニューアルしたようで、
暖簾の「大衆酒場」という文字がなければ、きっと分からない。
入口から下る半地下は、予約客専用らしく、
電話もひっきりなしに鳴るが、予約は一杯との返事をしていた。
2階と3階があるらしく、2階カウンターに座す。
目の前が焼き場で、香ばしい匂いと灰が漂う。

値段は、老舗らしい立派な価格。
煮込みを煮玉子つきで、630円。
オススメのガーリックトースト300円。
そして、ワインが合うとの評判だったので、グラスの赤ワイン600円。
お通しのエイヒレがなければ、大衆酒場であることを忘れてしまう。

大鍋に入った煮込みを、アツク熱した素焼きの皿に入れ、
グツグツと煮込まれて出てくる。
最初は、味覚を確かめられないくらいに熱い。
ガーリックトーストの味の濃さと、煮込みの汁が絶妙。
煮込みは、甘い・辛いはなく、標準的な印象。
標準であるからこそ、長く親しまれるのだろう。
さらに煮込みを追加。煮玉子なしで580円。
食べるモツによって、脂のノリが違う。七味唐辛子をかけて食べる。
お通し代250円がついて、合計2,360円。
焼き物(結構美味そうだった)を考えたら、
4,000円オーバーは覚悟しなければならない。
大衆と老舗の両立は、財布にやや重いのだな、と感じた。

寒い一日だったが、煮込みのおかげで
体中が暖まった。