花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ゲゲゲの女房

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有楽町イトシアのヒューマントラストシネマにて。
小さい方の部屋で、一列に一人位の余裕があった。

たまたま、水曜日1,000円というサービスデーだったので、観た。
NHKの朝ドラマをそんなに観たわけではないので、そことの比較はわからない。
ま、ストーリーに抑揚がある訳ではないので、「面白い」とはちょっと別。
いわゆる作家の半生をたどる映画はこんなもの、という覚悟はあった。
(以前、岩波ホールでジャック・ドュミという人の映画を観た時に覚えた)

漫画家の水木しげるが、貧しい貸本漫画家の時代を、
奥さんの武良布枝さんの視点から描いている。
勿論、現在では、有名漫画家になっているのだから、
ある種のハッピーエンドは分かっている。
映画で伝えたいのは、当時の貧困さなのか、辛さなのか、明るさなのか。
結果は良く分からなかった。

しかし、おそらくは、朝ドラマでは伝えられない部分が
ここにはあったのかもしれない。
例えば、戦地で左腕を失った時のことや、
戦争が終わり、時代が変わったとしても餓死する人間がいること。
(これ自体は、現代の日本でもいる)

ロケの時代性は捨象していたのは斬新だった。
高層ビルの見える東京駅、パルコが鎮座する調布駅
そこのなかに昭和30年を持ってきた。
それはある種の時代に対するオマージュとも思えた。

宮藤官九郎はわりと時代の人間ぽかった。
吹石一恵はもう少し妖怪っぽい感じが欲しかった。
もう少し、何か欲しかった。