花鳥風月記

流れる水に文字を書く

フードインク

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渋谷のイメージフォーラムにて。
以前、この映画館で、「いのちの食べ方」という映画を見た。
その映画では、食の近代化という様々な驚愕的な映像をみたものの、
セリフもない、その映画には、命に対する畏怖のようなものがあった。
続けてみた「ファーストフード・ネイション」という映画では、
アメリカのファーストフード業界のこれまた凄惨な実態が浮き彫りになっていた。

今回の映画は「ファーストフード…」の原作者である
エリック・シュローサーが共同プロデューサーとして名を連ね、
映画にも出演している。
アメリカの食をめぐるドキュメンタリー。

まずは、アメリカが資本主義の国であることの側面を捉えている。
自由競争から、寡占・独占へ。そして非人道的な「囲い込み」。
生産者は自由な発言を封じ込められ、ただ、多国籍企業(メジャー)の言いなりになる。
問題は、その利害者自体が、政権も担う立場にあること。
かつてのアメリカは、市民が立ち上がり、大きなうねりをもって、政治を変えていった、
という流れが、ここでは大企業が、「個の存在」にたいする攻撃となっていることから、
狡猾で非情なやり方が浮き彫りになっている。

農業が工業となり、家畜が商品となる。
しかしながら、商品を生産するにしても、
効率のみを重視した劣悪な労働環境、
非衛生的で、病原性大腸菌O157を発生させる品質、
不都合なことは表に出さない隠蔽体質。
明るいスーパーマーケットの色とりどりの商品に隠された真実。

健康のために薬を買うか、野菜を買うか―
低所得者層にとってみては、野菜よりもチーズバーガーの方が安いことが、
糖尿病などの成人病を促す原因となっている。

できることは何か
一人ひとりがオーガニックを含めた一つの消費行動から始めるしかない、
やや力のない、しかしながらそれしかない、メッセージを送っている。