花鳥風月記

流れる水に文字を書く

森博嗣 『自分探しと楽しさについて』

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集英社新書
誰かと名前を混同してしまうきらいがあり、
この方が小説家であることも初めて知った。

某国立大学工学部(建築学)で教鞭をとりながら、
作家活動をして、かなり有名らしい。
いや、ホントそういうのに疎い…。

新書らしい明快な内容が好印象だった。
合計24時間で作られた「独演会」のような展開でもある。
ちょっと冷めた感じで、切り口鮮やかに問題に切り込んでいく、
というのがどことなく内田樹にも似ているような。

自分探しという中で、「自分」や「他者」「社会」を概観し、
「楽しさ」にも少し掘り下げて語っている。
基本、筆者の好きに語らせている感じが、
力を抜いて読み進められる感じがした。

最後の自分の趣味や楽しみについては、
この人なりのやり方があるのだなあ、と思いつつ、
決して真似ではなく、「自分のやりたいようにやる」
ことの大切さを感じた。

ま、この本では、深くは語られなかったが、
先立つものはやっぱ要るような気がする。