花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (40)

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補償


2011年8月15日、終戦(敗戦)記念日に見た風景は、
近所のスーパーでのひとコマ。

千葉県産の梨と、佐賀県産の梨が並んでいた。
千葉県産が山のように残り、佐賀県産が無くなっている。
これが風評被害というものか。
店側も、ご丁寧にも、佐賀県産の方を「特売」としているが、
明らかに千葉県産の方が安い。
風評を助長する二枚舌、とでもいうべきか。

核爆弾が投下された国が、
今度は、原発放射能で苦しむこととなる。

アメリカで作られた原子力爆弾で、
アメリカから輸入された原子力発電で、
再び苦しめられることになる。

爆炎は異なるかもしれないが、
放射能に変わりはない。

今なお、計り知れない人体への影響に慄きつつ、
戦争の悲惨を語り、あるいは隠していた人々の無念に
どう思いをはせるべきか。
千年とも万年ともいえる「負の遺産」を
これからどうするのか。

当事者は、鬼籍に入ったものも少なくないが、
いまなお、健啖をあげる輩もいる。
しかし、その責を唱えるものは、残念ながら、いない。

補償は解決ではない。
人間性の放棄と敗北の結果である。


第四十条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、
     法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。