花鳥風月記

流れる水に文字を書く

電人ザボーガー

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

新宿のバルト9にて。
上映館が少ないこともあって、観客が結構いたが、
やはり、原作をリアルタイムに観たというような感じの人も多かった。
1974年から52話続いた特撮ヒーロー物をリメイク。
観ていたような、いなかったような…。
しかしザボーガーの名前は知っていた。
とにかく、今話題の子役俳優、鈴木福くんのように、
当時は、「仮面ライダー」になりたいと思っていたこともあり、
こういった特撮ヒーローは、何がしかの想いががある。
きっと同世代はそうだろう。

しかし、今の時代のリメイクはその当時の子どもたちが
成長し、大人となり、そしてやがては老境?を迎えるにあたって、
その時にはできないことをいくつもこの映画でやってのけた感じがした。

CGをフル活用して、当時の「チャチい」といわれた一つ一つを再構成した。
それも、あり得ない設定はそのままに(笑)。
これはこの映画を作った人(きっと監督)の意地だろう。
アクションも俊敏で息をのむシーンが続いた。

さらに、ナンセンスなところは、外さずそのままにした。
青年期の大門の間抜けに近い真っ直ぐなところ、
そして、ザボーガーが流すというか噴き出している(笑)涙…。
ナンセンスなものを意のままにできる、自負がうかがえる。

そして、ヒーロー物に出てくる主人公へのルサンチマンも…。
常にカッコイイ存在ゆえの、自己嫌悪がやがて、作り手になった時の
主人公のデフォルメ(それが今回の板尾創路の壮年期の大門)に見て取れる。
そして、当時のタブーともされる「お色気」についても、
子どもの想像の範囲のままで、現出している。
こどもと一緒に観ても、「むふふ」で済まされるような…。
この監督の別作品にもある、曲線の存在(女性)と直線(機械)を交差させるような…
そう、これは極めてオトナが求めた「こどもの夢」の世界だろう。
まさかの、パンフ完売…。恐るべし(笑)…。