花鳥風月記

流れる水に文字を書く

筆致俳句 (30)

大阪の 茹でた豆腐に 箸とおる
熱いうちなら 味も分からず

おおさかの ゆでたとうふに はしとおる
あついうちなら あじもわからず

大阪の府知事・市長選挙は、
橋下徹率いる大阪維新の会お手盛りとなった。

大阪府大阪市を併合し、「大阪都」という構想は
既存の閉塞感をぶち壊す、という
ちょっと前に流行ったメッセージがインパクトとなった。
もっとも、この閉塞感は自ら作り上げたものでもあると思うが…。

遠く離れた東京から見るに、
一部の人が勝手に盛り上げてるんじゃないか、とも見える。

湯豆腐や鍋の豆腐が熱いうちは、「熱い」だけで味もわからずもふもふするが、
本当の味は、冷めてから分かる。(個人的には冷めて味が沁みた豆腐が好きだが…)
いまの熱狂的?な雰囲気はむしろ、ちょっと危ないなあ、とも思えなくもない。
それは上手く行っても行かなくても、当人の立ち位置が変わるたびに、
茹で上げていくような、もしくは茹で上げられていくような、きわどい感じがある。

対立する人も、取り巻きの人も、茹でガエルにならないように
ご自愛下さい。