花鳥風月記

流れる水に文字を書く

固形メディア論 003

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書店の消え方


西葛西駅前にある書店が閉店した。
11月くらいから、なんとなく陳列棚がさみしくなっているので、
そうかなあ、と思いつつも予告はなかったので、いつ、とも知らなかった。
下旬ごろには閉店を予告させる段ボール箱が積まれ、そろそろか、と思った。
丁度、30日に、恐らく馴染みの客と思しき人が別れを惜しんでいるのを見て、
「ああ、今日なのか」と思った。

翌日の夜には、大き目のシャッターにひっそりと貼り紙がしてあった。
閉店の経緯は分からないが、ここ近年で書店はどんどん潰れている。
西葛西にも文教堂(品揃えの悪い量産店)や博文堂(少しだけ充実)があるが、
博文堂も、書泉西葛西の後に入っている。

西葛西の地域は、団地マンションが林立・乱立しているが、
図書館は小さく、書店も少ない。
昔、人口に比して書物が少ないことを
「日本のインド状態」と揶揄していたが、
今や「日本でもっともインド人の人口比率が高い」場所となって、
シャレがシャレでなくなってしまった。

最も、ここに住む人たちはIT関係の人も多く、
書籍はきっと電子書籍へのシフトの進んでいるだろう。

電子書籍やネットでの情報は、「検索」という能動的な思惑がほとんどで、
書棚で偶然見つけるという受動的な出会いがない。
硬軟ないまぜにした情報集積地、というのがまだまだ人にとっては重要だろう。

言うまでもなく、電子書籍で莫大な利益を希求する存在がある限りは。