花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (47)

投票の方法


よもやの展開ではなかろうか。

この条文に書いてある「投票の方法」はもちろん「投票する方法」であるのだが、
今、最も懸念されるのは、「投票させる方法」ではなかろうか。

投票率の下降が止まらない。
内田満の『政治の品位』(東信堂)を読んだとき、
議会制民主主義のはじまりの第一回の総選挙では確か95%だったものが、
現代では、50%台。
投票を促す広報なども有名人や美貌に長けた人物を起用するなど
色々とやっているようだ。

飛躍しているように思えるかもしれないが、
プロ野球でいうところの巨人戦の視聴率の推移に似てなくもない。
あの手この手で広報に手を尽くしているものの、
ついには地上波で放映されない、という事態に及んでいる。

両者に共通しているのは、いうまでもなく「つまらない」ということだろう。
強すぎて勝負にならない試合、結果が見え透いている試合、常勝が前提となる試合。
どれもが、時間が経てば「飽きられる」ということにつながる。

それはある意味で、参加者(有権者、視聴者)への
侮蔑的な「押し売り」に等しくなり、つまらなくさせる。
まあ、いわゆる「下剋上」というか「変わり目」というのもあるが、
その潮目に上手く乗り切れないと
その存在そのものに面白さを感じなくなっていってしまうことになる。

文字どおりの「小手先」ではどうにもならないのだろう。


第四十七条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、
          法律でこれを定める。