花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ポロック展

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竹橋の東京国立近代美術館にて。
待望の回顧展とあって、初日に行く。
日本では、それほど知名度が高くないせいか、
比較的落ち着いて観ることができた。

ポロックを知ったきっかけは、
酒井俊が唄うトム・ウェイツの「The World Keeps Turning」を聴いてから。
音源を手に入れようとしたら、映画「ポロック」の挿入歌であったことがわかった。
確か、取り寄せで手に入れた。
ジャケットには、ポロックらしき人物が床に向かって絵筆を動かす写真だった。
後に調べると、アメリカの現代アートで著名な画家であることを知る。

描くことから、「ドリッピング(滴る)」や「ポーリング(注ぐ)」
そして「ステイイング(染み込ませる)」といった描出画法を、
単純な感情ではなく、意識的な軌跡をイメージして「描く」。
それが、画作の一部ということではなく、オールオーバー(全体的に)
広げることによって、曼荼羅のような精神世界へも誘うような画風となる。

回顧展では初期から晩年までの作品が並ぶ。
所期の頃のピカソのようなキュービズムの作品を良く観てみると、
非常に厚く絵具が塗り込められている。
こういった凹凸感が、普段ネットや書籍では知ることができない、
作者の動的な部分ではなかろうか。

確かにその絵からは、正も負も兼ね合わせたような、
エネルギーを感じることができた。

また、映像で製作シーンも上映されていたが、
アクリル板とおぼしき板に、絵具で名前を描いてるシーンは、
かつて何かのCMに出ていたような記憶がある。
良く観てみると、アクリル板を通してだから、
フィルムを裏返して放映しているようだった。左利きになっていた。

図録と、映画「ポロック」のDVDがあったので購入した。