花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ベルリン国立美術館展

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上野の国立西洋美術館にて。
閉館まで1時間ちょっとしかなく、
展示が100点余りあるので、少し慌てたが、
小さな彫刻も含めてであったので、結果として落ち着いて観られた。

しかし、前回のレンブラント展といい、
西洋美術館の企画は良く言えば渋めな感じ。
今回の目玉は、初来日のフェルメール真珠の首飾りの少女」だが、
それ以外は、教科書などでみたことがある
マルティン・ルター肖像画などが印象深い。

彫刻は主として木製は、菩提樹材と胡桃材が多い。
また大理石なども、精巧な作りが印象的だった。
また宗教的な側面としては偶像的な印象もあった。

レンブラント・ファン・レインの「ミネルヴァ」は
暗い照明の中、スポットの場所が今ひとつで見づらかったが、
作者不明(レンブラント派)の「黄金の兜の男」は
そのスポットの効果で、本当に黄金に光って見えた。

一通り見終わった後、今一度フェルメールの絵の前に行く。
閉館間際まで、10分くらい見続ける。
窓から差し込む光と、光に映えた自分の顏と、真珠の首飾りを
鏡に写し、上気した横顔を見せている。

椅子に打たれた鋲や、中国製の陶器、そして真珠が
一方向の光を表情豊かに物語っていた。
まさに福岡伸一の書いた本にあった「光の微分法」を感じた。

そして、今週末からは「真珠の耳飾りの少女」が展示される。
東京都美術館まで数えたら360歩。
こんな近くに別のフェルメール作品がやってくる。