花鳥風月記

流れる水に文字を書く

リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝

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乃木坂の国立新美術館にて。
開催間もないが、平日とあってさほどの混み具合ではなかった。

ハプスブルク家の寵臣であり、神聖ローマ帝国より
国家として認められたリヒテンシュタイン侯国は、
400年に渡って、美術作品を積極的に収集し、大切に保管していた。
第二次大戦中のそのエピソードは、池田理代子がマンガにしているが、
歴史や時代を超えて、改めて目の前にある作品を見ると、
300年、400年といった時間に、いまなお浮き立つ色が奇蹟にすら感じる。

恐らく、教科書や図説でしか観ることのなかった
ラファエッロの「男の肖像」や、
ルーベンスの「クララ=セレーナ=ルーベンスの肖像」を間近に観られた。
クララの絵は、良く見ると、左眼の視線が若干斜視気味に感じた。
また、左鼻の下も黒く塗られ、影を表したのか、誰かが塗り込んだのか、
少し気になった。

ファン=ダイクの「マリア=デ=タシスの肖像」は、19歳という
瑞々しさを感じ、今の時代の19歳といっても違和感がないように思え、
アメリングの2歳の少女の寝顔は「かわいい」の一言に尽きる。

しかし、館内があまりに冷房が利きすぎ、手先まで冷え込んだ。
確かにリヒテンシュタイン侯国は寒いんだろうなあ、と。

そして、図録が2,500円。高すぎる。
池田理代子のマンガも確か1,000円。
ここで、誰が儲かるんだろう、と思うと、買う気がなくなった(笑)。