花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(278) 日暮れ前の準備 @朝日新聞大阪本社

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朝日新聞を読んでいると、事あるごとに
中之島フェスティバルタワーの記事が出てくる。
折角なので見に行った。

梅田から西へ西へと歩いていく中、
川のほとりにそびえる建物。
これといった特徴のない、それでいて普遍的な丸みを帯びた
長方立方体のデザインが目立つ。
壁面には、かつてのフェスティバルホールにもかかっていた
「牧神」のレリーフが青々としていた。

フェスティバルホールの入口に当たる部分に
ホールの再開を喜び・期待する著名人のサインが並べられていた。
拍手が天から降ってくるという伝説があるらしい。

向かいの旧社屋は引っ越しがほとんど終わっているようで、
ひっそりとしていた。地下街の店舗もいち早く閉店したようだ。

さて、その新社屋がフェスティバルタワーに移転したところを見て
気になったところがあった。

印刷工場(輪転機)がない。見当たらない。
大阪本社のホームページにも、「会社見学」は「主に編集局」となっていたので、
本社移転で中之島での印刷はなくなるのだろう。
最新の工場を福島区に開設したようだ。

考えようによっては、中心地区の土地の有効活用の側面もあるだろう。
しかしながら、もはや紙媒体が劣勢に立たされる中、
来たるべき時代を意識しているのではないか、とも思えた。

技術の進歩は、新旧の区別を峻別させる。これは時代の流れだ。
しかしながら、新聞が印刷という「重装備」を軽くすることが是であるかは、
まだ分からない。