花鳥風月記

流れる水に文字を書く

トラック野郎

最近では、ネットを使うと無料で映画を観ることができる。
期間限定というタイミングもあるが、
たまたま、甥っ子にトラック野郎の
一番星デコトラのプラモデルも送ったこともあり、観てみた。

観たのは「御意見無用」と「爆走一番星」
一作目と二作目。

当時は「寅・トラ対決」ということで、
「寅さん」の向こうを張って、正月映画だったようだ。
今思うと、よく正月に観られるなあ、(家族一緒に…)を
思えなくもない。

しかし、記憶に残る、昭和の映画だなあ、と思う。

菅原文太扮する星桃次郎は、車寅次郎と同様の
さすらいのチョンガー(ひとりもの)。
毎回、失恋している。

しかし、一作目・二作目とも、「男はつらいよ」との違いを意識してか、
必ず桃次郎に想いを寄せる女性も現れる。
それがお決まりのように「早とちり」と「勘違い」でもつれ、
いつのまにか、違う男(これが対照的な、しがない男)とくっつく。
桃次郎の惚れる女性は、影のある(事情のある女性)で、
結果として「良い人」として、ふられてしまう。

寅さんが、全国各地の小さな街に落ち着いているのと違い、
トラック野郎は、全国を走り回る。
ま、ある意味ロードムービーの走りか…。

他に選択肢がない時代、
エロ・グロ・ナンセンス、そしてバイオレンスやBL?まで
元気なてんこ盛りの映画だなあ、と…。
それが、日本映画に今はない「活気」だったのかもしれない。