花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (68)

その過半数


2020年のオリンピックが東京に決まった。
やっていないイスタンブールが有力と思ったが、予想に反してという印象。

第1回目の投票で、東京がリードし、イスタンブールマドリードが同点で、
マドリードが脱落(だったか…)、その後の決選投票で決まったらしい。
ヨーロッパでは、次のオリンピックをパリで(何かの100周年らしい)開きたいとの
思惑や、イスタンブールの政情不安(?)が印象付けられ、
何かと安全パイな東京になったとの見方がある。

朝、現都知事と前都知事の会話がテレビに出ていたが、
要は東京が一番カネ持っている、というのが勝因と言っていた。
現首相は、福島第一原発の汚染水漏洩問題を
「コントロールされている」とか「健康に全く問題はない」と断言していた。

迫りくる7年後については、今、言葉にしている人々のほとんどが、
その責にない可能性がある。
問題は先送りにして、様々な皮算用が弾かれる。
そんな風景や空気の中で、正直「面倒くさいなあ」と思う人は
少なくはないだろう。

そして、震災の復興が、オリンピックのインフラ整備によって、
妨げられるのでは、という不安も出ている。
誰かが儲かればその恩恵がくるという「トリクルダウン」は
おそらく都市伝説であろう。
企業の本社機能がボーダレスになれば、なおさらのことだろう。

過半数の票と引き換えに、日本は何を得たのだろう。
独占を狙う心の中に、貧富の差が生まれる。


第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、
      国会議員の中から選ばれなければならない。
    2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。