花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (91)

状況


第二次安倍内閣が9月に改造を行い、そのふれこみの一つが、
「女性が輝く日本」というものだった。
そして今日、はからずも夥しいフラッシュライトの中で輝く
二人の女性閣僚がいた。
小渕優子経済産業大臣と松島みどり法務大臣
いずれも「前」を付けねばならない。
輝いていたのは、辞任会見だったからだ。

小渕氏は、政治資金の不明瞭な処理があったことを指摘された。
本人が「小さい頃からお世話になった方で…」と言う通り、
父親の代から支えてきた人たちに、今まで担がれ、そして降ろされた。

松島氏は、祭りで配ったうちわが「物品の供与」で公職選挙法に違反する、
というもの。柄のない「うちわびら」はセーフらしい。
蓮舫のうちわびらは存在するらしい)
ただ、この機に乗じて「国会運営の支障をきたす」ということで辞めた。
経済と法律という、内閣でも重厚な役割を担う閣僚が一気にやめるのは、
珍しいことだろう。それだけ存在が軽かったのだろうか…。

この措置の背景には、第一次安倍内閣の時に閣僚6人が「ドミノ辞任」となり、
その後、総理辞任までつながった。
ある人は「危機管理」という視点で「良し」という見方もあろう。
しかし、この危機管理の手法はいかにもビジネスライクな印象も否めない。
まさに「株式会社 安倍内閣」といった感じだが、こういったトカゲのしっぽ切りは、
今まで見て来た中では、傾いてきた企業が度々やっていたことではなかったろうか。

ネオナチやヘイトスピーチに与する女性閣僚がまだいる。
海外ではこちらの方が危険視されているが、
次なる「報告」は一体どんなものになるだろうか。


第九十一条 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況
      について報告しなければならない。